sowale pop up shop

2023年9月

ソワレエッセイ


僕と只松さんとの出会いはcotomono 今村素子さんが、ドイツで展示を行った際、
当時ベルリンで文房具店を営んでいた只松夫妻と知り合いになったのがはじまり。
cotomonoは日本という和の土台の上で、形から自由にモノに作り上げる超個性派で
海外視野のアーティストだ。不思議な風を吹かせてくる。


新丁でcotomonoとの企画が決まり、その会期中に訪ねて来たのが
ベルリンから遠野へ生活の場を移したばかりの只松夫妻だった。
只松夫妻は地元福岡でsowaleという文房具店をスタートし、その店をベルリンに移転。
ベルリンでの生活をはじめた。そこでのさまざまな出会いや繋がりは
只松さん自身の執筆活動をも活発にさせていく。
そして自身の作品とそのポエトリー・リーディング。
影、音や音楽を重ね立体的に文学を表現する。
“Der Mann von dem Buch”
只松さんが書いた本。
ドイツ語のタイトルの邦題は “本の男”


昨年暮れに新丁で展示したこの”本の男”のプロジェクトもベルリンで結成されていた。
“本の男”は少女が1人の男を本にしていく物語。
その展示はかなり斬新な空間を作り上げる。
番号だけがふられた同じ本が11冊並んでいる。
1には1章が印刷されあとは白紙。
2には1と2章。番号ともに章の印刷が増えていく。
ベルリンで手製本された美しく立派な装丁の本で表現されるインスタレーション。
いままでに東京〜ドイツ〜スイスと開催され八戸にバトンをもらったのだ。


“本の男”の会期中にコロナ渦でなかなか動けずにいた只松さんは
再びベルリンを訪問する計画をたてていた。
さまさまな事を話していくうち僕らはいつかsowaleをポップアップ出来たら楽しいだろう考えた。
お店の復活ではなく限定のポップアップショップなら足どりも軽い。
何よりベルリンに行くなら買い付けも? 只松さんも楽しそうだった。

”sowaleの看板はまだありますか?”

“あります”

僕達はsowaleのポップアップを計画した。そして只松さんはベルリンへ。
それからしばらくして連絡がきた。


急な話だった。福岡に移住することになったと。
僕にとって彼らが離れた場所にいくのは随分とショックな話だったが、
僕らが計画したsowaleのポップアップを最後に只松夫妻は福岡へ移住することになる。
オリジナルで製作したノートや文房具、さらに古い雑貨達は目玉となるだろう。
ベルリンから時空を超えsowaleが1日限定で新丁に現れる。
その日はsowaleを充分に堪能したい。

出会いの話にもどるがcotomono今村素子さんを新丁に連れて来たのが、
zilch の千鶴ちゃんであることがまた何とも面白い話である。

“Pimenta” Yukie Monnai Exhibition

2023年7月

個性的なラテン・フレーヴァー。
どこか南の国を想わせるような彼女の作風は、
メキシコ、ブラジルやベナンでの滞在制作や個展を経験しているのが物語っている。
大きな要素のひとつであろう。
日本国内でも彼女の展示を行なっているお店もやはり南の匂いがする場所が多く
最近では渋谷のアフリカ料理の名店
Los Barbatos(ロスバルバトス)の看板を手がけ名作を生みだしたばかり。
新丁のちょっとしたブラジリアンテイストともやはり相性がいいのだ。
今回は彼女のモチーフとしてよく登場する唐辛子をテーマにした作品展
ピメンタで登場。
彼女が描くなんともかわいい唐辛子がふんだんに入った作品が並ぶ訳である。
一見、ポップでキュートな世界だが彼女の作品には人間の根源的な部分も
感じられるのが新しさでしかないのだ。
彼女の新作是非ご覧いただきたい。

企画展”Pimenta”
会期中はカフェでもテーマにあわせたピリッと辛い唐辛子料理がお楽しみいただけます。
そしてさらに最終日は
シンガー児玉奈央さんがクロージングライヴで花を添えます。
ソールブランチ新丁の夏、お楽しみください。

児玉奈央クロージングライヴ
30名さま限定となります。
8/27(sun)
open 16:00 start 17:00
入場料¥3,500(税込)前日まで  当日¥4,000

ご予約は電話メール、メッセージでどうぞ
tel.0178−85−9017
mail. saulebranche@gmail.com

çaipo-z-ion

2023年6月

サイポジオンと読みます。
6/1よりギャラリーをアトリエとして使用し
今からさまざまな物を制作します。
プリントを軸に、布、紙、レザーさまざまな素材と8版のシルクスクリーンから
形、ドローイング、ポエム、などの素材をサンプリングしていきます。
同じものを大量に刷るのではなく素材の組み合わせを少しずつ作っていきます。
だから僕達にもどんなものが出来るのかわかりませんが
刺激的なものになると思います。

6/17(土)から一週間アトリエをそのままショップに転換し販売いたします。
期間中のキッチンは全日、南国食堂shan2、6かく珈琲がパフォーマンスしてくれます。
僕達は全日ホームにて在廊いたします。

ストーリーに出来るだけリアルタイムを心がけますので、
今から追っていただければ楽しいと思います。
原始的で実験的な企画
僕たちがzodiacの最新型のセッションをいたします。

“Portrait of The Wiz” Hirosuke”Deko” Doi

2023年4月

写真家・土井弘介、ぼくらはジョアン・ジルベルトというボッサ・ノヴァへの敬愛からこの人に出会った。出会った瞬間に「あっ、同じ血筋の人だ…・・」と直観したのは忘れない。
それから3年の月日が流れ、2022年晩秋、今回の展示の打ち合わせのため土井さんの住む長野県根羽村で再会した。
ぼくらは、土井さんがNY時代に出会い、生涯のSoul Brother となったトリニダード生まれのアーティスト、ジェフリー・ホールダーを撮った”土井弘介・写真展”を考えていた。
ぼくらのそんな企てを土井さんに話していると…「ジェフリーは黒人だけがキャストのオズの魔法使い“The Wiz”という舞台の衣装部門と演出部門でトニー賞を受賞しているんだ。
ぼくはジェフリーの友人ということで舞台裏の写真をたくさん撮ったんだよ」といって棚からポートフォリオを引っ張り出してきた。
その中から数枚の写真をテーブルの上に並べた。そこには黒人のアクターたちがキリッとポーズをとったり、ちょっとおどけてみたり、微笑んでみたり…とにかくサイコーの表情に溢れていた。
「土井さん、The Wiz のポートレイト展やりましょうよ!」
2人の意見は同じだった。

ジェフリー・ホールダー:
1930年トリニダード島に生まれる。
ダンサー、作優、演出家、デザイナー、画家、写真家、あらゆるメディアを使い“生命美”を表現するマルチアーティストである。
1957年から NY を拠点とし、バレエやミュージカル舞台、映画作優として多くの作品に出演している。
1973 年「007 死ぬのは奴らだ」でロジャー・ムーアと共演し強い印象を残した。
そして1975年
“The Wizが絶賛され、トニー賞2部門を受賞した。惜しくも2014年に亡くなっている。

土井弘介:
彼の 70 年代 NY マンハッタンでの活躍はジェフリー・ホールダーの存在なくして語れないだろう。
ジェフリーとの初めての出会いは、プレイボーイ誌が発行する Oui という雑誌の撮影で
ヘルムート・ニュートンの助手として同席した時であった。
初めて会った時、彼はジェフリーの背中に飛びのった。「でかい!」ジェフリーは大男だった。それから2人の素晴らしい交友が始まった。
ジェフリーは彼をダンスシアター、ディスコ、ギャラリーやアトリエのパーティー、ファッションショーなどへ連れ出した。
彼は時代の先端を目撃していた。そしてウォーホル、ダリ、マドンナをはじめとする70°sNY セレブリティのポートレートを残すことになる。
彼のNY時代のニックネームは “Deko”
「Hey Deko!今日も来てたんだね。フィーリングはどうだい?」会話が聞こえてくるようだ。
Deko と役者との関係は日を追って深まっていった。この小柄な日本人のフォトグラファーはみんなから好かれていたことが写真から伝わってくるだろう。
本番前舞台裏ならではのラフなポージングと緊張感。
ドキドキする。イメージが膨れ上がり、まるで現場を目撃しているかのようだ。
ジョアン・ジルベルトのポートレートだってそうだった。彼の写真はその場の空気まで再生し伝えてくる。
今回もまた最高の空間が出来上がるだろう。


俊文書道会 “ダウン症の3人が繰り広げる天衣無縫”

2023年3月

世界ダウン症の日
3/21火曜祝日。

俊文書道会、西里先生は、その日にあわせうちのダウン症の子達の作品展をやりたいんだと相談してきた。
それが俊文書道会今年の展示。

“ダウン症の3人が繰り広げる天衣無縫”

木村海翔(キムラカイト)
中野京香(ナカノキョウカ)
道端祐貴(ミチバタユウキ)
この3人の書展。

前代未聞の奇想天外な
彼らのはっちゃけた言葉や文字が
空間に飛びます。
八戸発、話題の書道会です。
是非お越しください。

さらに3/21火曜祝日
世界ダウン症の日には
この3人によるパフォーマンスが
ございます。15:00からの予定です。
新丁からはタクとヤムもそこに参戦いたします。予約は必要ありませんので是非どうぞ。
その祝日、春分の日だと言う事も
ニヤニヤしてしまう。
今年の俊文書道会の展示、楽しんでいただければ幸いです。